アンブロのユニフォームがかっこいい、カマタマーレ讃岐との第2節。
カターレとカマタマーレ。
名前の並びから「マヌケ(マ抜け)の富山」なんて言葉遊びをされることもある、不思議な関係の2クラブだ。
その讃岐には、かつて4シーズン在籍した大野耀平がいる。
相手を背負ってプレーするのがとにかく上手く、前線で起点になれるタイプのFW。そんな記憶がある。
そしてその記憶は、間違っていなかった。
苦しい展開の中でも大野は効いていた。岡本とのバトルはハイレベルかつクリーン。間違いなくこの試合のハイライトの一つだった。
- スタッツ
この試合のスタッツはこちら
試合終了
— カターレ富山 (@katallertoyama) February 15, 2026
🏆明治安田J2・J3百年構想リーグ 第2節#カマタマーレ讃岐 1-5 #カターレ富山
21分 #古川真人
29分 #吉平翼
57分 オウンゴール
69分 #小川慶治朗
86分 #亀田歩夢#百年構想リーグ #Jリーグ pic.twitter.com/orIHWkNsF2
「終始圧倒していた」という印象が強い試合だった。しかしパス本数だけを見ると、前節の高知ユナイテッドSC戦より100本以上も少ない。それでも内容で圧倒できたのはなぜか。
個人的な印象は明確だ。
この試合は「ボールを持つこと」「パスを繋ぐこと」を目的としていなかった。崩しの狙いとアイディアがチーム内で共有されていた。パスは手段であり、どうゴールへ向かうかという共通の絵が、それぞれの選手の頭の中にあった。
- 配置

原田岳:前節に続いてポジションを確保。原田による4バック化(通称エデルソンロール)は早くも封印。今節も試合感の欠如からくる不安定さを見せた。おそらくシュートやクロスに対するポジショニングにややズレがあるような気がする(要検証、だがやるかはわからない)。
深澤壯太:圧巻の出来。岡本、布施谷の助手として働きながら、崩しの一手も担う。安達サッカーの戦術兵器となりつつある。
岡本將成:大野とのバトルは今節の見どころ。この厄介な相手FWを65分で交代に追いやることに成功。ウヨンの存在で、ある程度守備に専念できたことも大きい。
安光将作:大宮でやらされていた、適性のないポジション再び!なんでやねん!と試合を見ていない人は怒りそう。彼の特殊能力は安達監督によって、仕組みの中でしっかり活かされようとしている。
表記上は3バックを継続。ただボールを持てば4バック化して配置をズラす試みは、前節より継続。そのやり方が変わり、この試合では安光の特殊能力が解放される未来が見えた。
布施谷翔:いつか過労死ラインを超えるのは確実な運動量で右サイドを制圧。安達監督が表現したいものは、彼がこのサイドにいることが前提になっているので、彼が不在のときはどうするのかが早くも心配。
溝口駿:布施谷よろしく大外レーンを制圧。吉平、安光解放のキーマン。ファイナルサードでのプレー選択には課題が残る。
圧倒的な走力で大外のレーンを制圧する2人。ここが出発点。前提が崩れたときにどうなるか。
谷本駿介:ビルドアップ隊の一員だけではなく、崩し役までの役割を一手に引き受ける。前線の3枚がプレスに出た際にしっかりついていくプレーが、地味だがチームを助けた。
チョンウヨン:モノの違いを見せつけた選手。コンディションが上がれば、もっと期待できる。もしかした本気でワールドカップ出場を狙っているのかもしれない。
ウヨンが中央で構える、谷本が衛星のように動く。その明確な役割によって、2人は守備から攻撃まで90分間相手を圧倒し続けた。
小川慶治朗:オウンゴール判定はちょっと不運、かわいそう。と思っていたら素晴らしいゴールを決めた。右のポケットを取り続けたキーマンの一人。
吉平翼:キャプテン翼。ふわっとした試合の入りから喫した失点後のチームに、そのプレーで気合を入れ直し、自ら逆転弾を沈める千両役者っぷりを見せつける。
古川真人:今節から出場が可能になった強力なライバルの前で今季初得点。彼が覚醒するシーズンになってほしい。
二度追いは当たり前。三度追いも当たり前。全員に数字がついたのも、出来過ぎと思わないのは、彼らがチームのエンジンをかけ続けたからだ。この試合でFW陣の守備に安達監督が求めているものが明確になった感がある。
- サイドを制圧しよう、ポケットをとろう
まず布施谷のサイド、彼はこの試合一人で右サイドWGからSBまでの役割全てをこなした。
彼が高い位置でボールを持てば
①勝負(対面DFと一対一、カバーいない場合)
②小川(古川)のポケット侵入
③谷本(深澤)によるポケット侵入、もしくはやり直し
とチームでの優先順位と役割が明確だったように思う。この場面で先手を取り続けることができたのが大きかった。
- サイドを制圧しよう、ハーフスペースをとろう
一方溝口のサイド、右での崩しが好調だったこともあり、登場回数はそんなに多くはない。目立った動きとして、DFラインが後方でボールを保持した際に対面している選手の裏へボールを引き出す動きをする。そのタイミングで吉平が前線からハーフスペースへ列を降り、瞬間的にフリーとなってビルドアップの出口となる。もしくは安光がそこのスペースを使って前向きでプレーする。
溝口のファイナルサードでのプレー選択には課題が残るが、彼が大外レーンを制圧することができれば、左のハーフスペースで吉平と安光が近づいてプレーする懐かしい姿を見ることができる。
両サイドで優位をとることの前提となる、走力で制圧だ!を実現できたのは、3バックと中盤のビルドアップ隊のパフォーマンスが要因だろう。
フリーならウヨンから精度の高いボールが容赦なく裏に放たれ、プレッシャーにさらされる危険があると判断すれば、ビルドアップ隊が短いボールのやりとりで回避、狭いスペースでも谷本が引き取って個人で回避をする。
ここで讃岐は有効な対策がとれずにDFラインをずるずる下げることになってしまった。
この試合のHeroesは亀田だったが、ビューティフルゴールに前節の奮闘を含めたものだったように思う。
その亀田の新相棒になりそうなキムテウォン。さっそくアシストの数字もついた、どこか見た目が大迫勇也に似ている韓国のU23代表選手は、そのプレースタイルも大迫に近いのではないかと、短い時間の中で感じさせた。
日本のサッカーファンの間では、悪評名高いポルティモネンセSCから完全加入移籍で加入した彼は、再びヨーロッパへ渡ることを目標としているだろう。そのときが来るまでにカターレは彼の価値を高めることができるのか。
表情が変わらない安達監督のインタビューから何かを察するのは難しい。
しかし「何も出せなかった」と監督本人が語る前節と比べると、まったく別のチームであったことは確かだ。そういった変化を楽しむことに比重をおいて、このリーグを楽しんでいけたらと思う。


